映画「83歳のやさしいスパイ」…老人ホーム潜入調査

「おひとり様」の見守り~亡くなった後のお手続きまでまるごとサポートします、千葉市稲毛の見守り隊、行政書士の礒貝です。

今月鑑賞した「83歳のやさしいスパイ」は、老人ホームへの潜入調査をアルバイトの面接で選ばれた83歳の男性が見事任務を遂行する映画です。

ターゲットは老人ホームに入居している女性、依頼者はターゲットの娘で、ターゲットなる母がホームで虐待を受けているのではないかとの調査が探偵事務所に入ります。潜入するのは、求人に応募した妻を亡くしたばかりの83歳セルヒオ。セルヒオは、新しいことへの挑戦にワクワクしながら無事ホームに潜入しました。

舞台は、まぶしい太陽と感情を素直に表現できる国のようで、私のイメージとしてある老人ホームとは少し違うのかな…なんて思っていましたが。

ここに出てくる老人ホームでも大半は女性で、新人で、話しを聞いてくれるセルヒオは人気者になります。しかしホーム内での盗難や外出して徘徊してしまう人など事件が起こります。

結末をばらしてしまうことになりますが、結局ホーム内では虐待はありませんでした。それどころかターゲットと依頼者は1年以上会っていないのです。セルヒオはこのホームで生活していくうちに入居者たちの孤独を知ります。ただ、この「孤独」は入居したからだけではないと思います。年を取ってくると周りから頼られたりすることは少なくなってきます。加えて身体的にも施設のルールによっても自由が制限されるようにもなります。

最後にセルヒオは調査を終えて、早くここから出たいと申し出ます。特に施設や入所者、職員に問題があるわけではなく、以前の退屈であった生活…目をつぶっていてもどこに何が置いてあるか覚えてしまうくらいのスーパー通いや毎週のように遊びに来る子供や孫たち)に戻りたいと退所します。

以前私介護施設を回ったり、介護職の人に色々話しを聞いたりする機会がありました。介護職の人、といっても色々な人がいて、仕事と割り切っている人もいれば、利用している人のために、と工夫したり考えたりする人もいました。施設についても、入所する前に調べておくことは必要なことです。資料の数字や文字だけを見ていたら「あれ?」と思うこともありました。

そして有料介護施設で働く人から言われた言葉「自宅で生活するように施設で生活して欲しい」とは…良くも悪くもいろいろな意味で受け取りました。

かなり変わったスパイ映画。上映している映画館が少ないのが残念。