相続人が3か月以内に考えること

「おひとり様」の見守り~亡くなった後のお手続きまでまるごとサポートします見守り隊の礒貝です。

「相続は、死亡によって開始する。」(民法882条)そして、「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、~」(民法896条)

私が、よく書く民法の条文です。これを見ると、相続人は、亡くなった人の財産について、否応なく引き継ぐのか、と思いがちですが、そうではありません。

相続人には、三つの選択肢があるのです。

① 単純承認…権利(所有権等)や義務(借金等)をすべて受け継ぐこと

② 相続放棄…権利や義務を一切受け継がないこと

③ 限定承認…相続人が、相続で得た財産を限度に、被相続人の債務の負担を受け継ぐこと

そして、何もしなければ「単純承認」したとみられます。

逆に言えば、②と③はある一定の期間内に選択する必要があって、その期間を過ぎると①になる、ということです。

この期間について、「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、~」」(民法915条1項)と書かれています。

しつこいですが、①の単純承認については、何ら手続きは必要ありません。

しかし、②の限定承認と③の相続放棄に関しては、この期限までに、家庭裁判所に申し述べなければいけません。

また、②の相続放棄は、相続人が単独ですることができるのですが、③の限定承認に至っては、相続人全員が一緒にする必要があります。

この三箇月、気をつけないと、あっという間に過ぎてしまいます。ただ、この起算点については、「亡くなった日から」ではありません。もう一度、上の太字を読んでみてくださいね。では、また。