「おひとり様」の見守り~亡くなった後のお手続きまでまるごとサポート、千葉市稲毛の見守り隊、行政書士の礒貝です。
「主人が亡くなり、自筆証書遺言を残していた。この後どのようにしたらよいのか教えて欲しい。」とのお問い合わせをいただいたことがありました。相続人は奥様と亡くなったご主人のご兄弟たちということでした。しかし遺言で配偶者に財産全部を相続させると書いてあったそうです。(封はされていないとのことでした。封がされていた場合は裁判所での検認前に勝手に開封はしないで下さい。)
今回「遺言書」が自筆証書遺言で、自宅で保管されていたものであったため、遺言の通りに銀行や不動産名義の変更など相続手続きをするには、まず家庭裁判所で検認の手続きをする必要があります。(裁判所へ提出する書類(検認の申立書)の作成やその相談については、行政書士は受けることが出来ないため司法書士を紹介致しました。)

この後の流れをご説明すると申立てに必要な書類として、相続人となる人全員の戸籍謄本を揃える必要があります。亡くなられた人が80代ぐらいでご兄弟が多いとなると、ご兄弟の中でもすでに亡くなられている人がいればそのご兄弟の子(遺言を書いた人から見て甥・姪)が相続人になります。その人たちの戸籍謄本も準備しなければならないのです。もちろん甥・姪がご兄弟に一人ずつとは限りません。
この戸籍謄本の準備も大変ですが、申立書には、相続人の住所も記載する必要があります。これは裁判所から相続人に対し検認を行う日の通知がされるからです。亡くなった配偶者の兄弟であれば知っている人もいるかもしれませんが、甥・姪の住所が分からないという方も多いと思います。その場合「戸籍の附票」も取って調べる必要が出てきます。
先述の方は無事検認手続きが終わったと司法書士から連絡が入り、その後相続手続きを致しました。戸籍謄本の準備から検認手続きが終わるまでに要した期間は2カ月半ぐらいかかったと思います。書類を準備するのも大変な上、実際の手続きが出来るようになるまでに時間もかかります。
しかし、遺言書がなければ財産を配偶者に全部渡すこともできず、大勢の兄弟たち若しくは甥姪と遺産分割協議をしなければならなかったので、この方の判断は間違っていません。遺言を書くのが面倒だと思う人が多い中で、この人は奥様を大切に思われていたのでしょう。
もし生前にお会いできていれば「公正証書遺言」についての説明やメリットについてお話しできたのかなと思います。公正証書遺言はお金がかかるので選択しない人もいますが、すぐに銀行の解約や不動産の名義変更をすることができます。
遺言を書く必要があるのはお金持ちだけではありません。ご自身が「中流だ」「お金がない」と思っている人こそ「遺言書」についてまずは知っていただきたいです。ぜひ参考になさって下さい→(いそがい行政書士事務所HP)